第5世代のモバイルテクノジーである5Gは、リテールの未来を変えると言われている。大胆な予言のように聞こえるが、この新しいテクノロジーの価値をわざと大げさに伝えているわけでもない。

GroundTruthのロケーションマーケティングテクノロジーは、モバイルテクノロジーの上で成り立っているので、5Gの進化には注目してきた。端末のスピード感知であったり、GPSとそれにまつわる衛星測位技術などは、我々が特に注視している分野だと言える。新しい技術が進化していくのは、刺激的で、近い将来、どのような変化をもたらしていくのか、個人的にも非常に楽しみにしている。

5Gは、2019年のCES (ネバダ州ラスベガスで開催される電子機器の大規模な産業イベント)においても、ホットトピックの一つだった。5Gが与える社会への影響の話であったり、リテール店舗の新しいポテンシャルを引き出してくれる、という専門家の話も多かった。米国でNo.1のシェアを持つ携帯キャリアのVerizon Wirelessで、5Gのマーケティングを担当するAmelia Powellは、こう言っていた。

「5Gを介して、すでに現在保持しているデータを最大限に活用できる。最終的な購入する段階においても、データを用いた新しい体験を顧客に提供できる」

リテールブランドは、4Gよりも圧倒的に多くのデータを通信できる5Gで、より多くのことができる。株式市場やテック産業を扱うオンラインニュースのTheStreetでは、このことについて触れていた。「5Gは、何十億もの端末やセンサーと通信できる。これは、あらゆる主要な産業に対して、恐ろしいほどの可能性を秘めている」と。そして、リテールがその恩恵を受けることができるトップのカテゴリーだ。
例えば、ファッションのリテールであれば「ファッションに関するクイズ」をモバイル端末におくったり、AR (拡張現実 = 人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術)を用いてやバーチャルな試着」なども、新たなインタラクティブな体験として、消費者を魅了するかもしれない。 また、それと同時に、リテール店舗自身にも、膨大なデータを即時に利用でき、消費者に対して正しいアプローチができる。
それは、どのようにして、リテールが5Gの恩恵を受けることができるか例を見てみよう。


さらなるパーソナライゼーション

マーケターであれば、消費者の意識を向かわせて売上に繋げる上で、パーソナライゼーションがいかに重要であるかは理解していると思う。Accentureのアンケートによれば、全体の63%がブランドや企業からの情報として、自分にあったコンテンツやレコメンドを受けることに興味があるそうだ。そして、2000年代に成人を迎えたミレニアル世代においては、その数字は69%にも上る。端的に言えば、現在の消費者は、自身の欲求やニーズを反映されたブランドエクスペリアンスを求めている。そして、5Gを活用して、リテールはオフライン実店舗において、その願いを叶えることができる。

オフラインのさらなるパーソナライゼーションは、消費者、そして、店舗の両者にとって、シームレスで非常に快適な環境になる可能性がある。

どのように変化していくのか、想像してみよう。

5Gのデータ処理速度、膨大な端末との連携などにより、顔認証技術およびその他のIoT端末を用いて、店員に対して、得意顧客がいることを認知できるだろう。それと同時に、過去の購入履歴や質問傾向などにもアクセスができ、店員がどのように接客したら良いかのガイダンスとなるだろう。
また、近い将来、物を購入して店を出るという行為において、財布を取り出す必要がなくなるだろう。

そして、実店舗におけるリアルタイムな行動を、スマートフォンやモバイル端末と連携させ、今までの広告よりもさらにエキサイティングな表現方法になるだろう。

リテールブランドは自身がすでにデータベースに保持している購入履歴データ、デモグラフィックデータ、傾向データなどの価値をこれまで以上に最大化することができる。

AR (拡張現実)テクノロジーと、その先

5Gが社会にさらに普及するにつれ、もっと驚くような活用の仕方が、リテールでは行われていくだろう。

例えば、試着のための全身鏡が、何をその人が試着していて、その製品番号、並びに価格情報を、リアルタイムにサーバーに送信して、データとして蓄積することも可能だろう。
そして、ARの技術を用いれば、スーパーで買おうとしている商品の栄養成分表示を、モバイル端末やウエアラブル端末に自動的に表示することもできるだろう。5Gは、ARやバーチャルリアリティをリアルタイムに現実に提供できるだけのパワーを秘めており、購入におけるラストワンマイルを後押ししてくると、リテールブランドは期待し、研究している。

リサーチ会社のGartnerによれば、早ければ、来年には、米国、ヨーロッパ、中国のいて、1億人以上がARの影響によって、オンライン、および実店舗で購入しているだろうと予測している。ARとバーチャルリアリティが、消費者の購入意欲を高める視覚的なツールとして、証明されることになるだろう。

まだ、5Gの将来の活用方法や影響を全て語るには早すぎるが、ここまで述べたようなアイディアは確実に実施されると思う。5Gの可能性は無限大だ。それと同時にリテールブランドは、5Gの多様な能力について理解し、準備をしておくことは必須だと言える。

5Gの登場によって、消費者はスマートフォンを店内で購入行動の一環として、今まで以上に使うことはほぼ間違いない。リテールブランドでは、スマートフォンに今まで以上に従事すること自体を邪魔することなく、その新たな行動変化をどのように活用するべきか考えるべきだ。

これは、言うまでもないが、5G自体は、マーケティングのための技術ではなく、新たなマーケティング手法を作り出す基盤だ。遅延がない早いモバイルデータ回線がどのように消費者に影響するのか?なにができるのか?それこそが、リテールブランド、マーケターが、考えるべき質問だ。

Sunil Kumar

Sunil is CEO at GroundTruth, a global location platform that leverages location intent to drive store visits and sales for marketers